暁斎カフェ・コラム

河鍋暁斎シンポジウム

河鍋暁斎 浮世絵絵師か狩野派か」

佐藤道信京藝術大学美術学部教授×日野原健司太田記念美術館主席学芸員×河鍋楠美河鍋暁斎記念美術館理事長・館長       

 

■日 程 :2021年3/28(日) 14:00~16:20
■場 所 :蕨市立文化ホールくるる
■参加者 :暁斎塾メンバー

 

■レポート:暁斎塾スタッフ

毎年恒例となっている河鍋暁斎シンポジウム、昨年は新型コロナウィルス感染拡大防止のために中止となってしまいましたが、今年は328日、蕨市立文化ホールくるるにて実施されました。

 

テーマは「河鍋暁斎 浮世絵絵師か狩野派か」常々、問われていた問題なのですが、専門分野の諸先生によって

 

暁斎がそう言われる理由をお話になられました。明快、スッキリでした。


暁斎は狩野派に10歳で入門しメキメキと頭角を現し異例の19歳で卒業。その間、狩野派の技法を習得している。さらに時代的背景をみると明治政府台頭にて、社会にもたらすあらゆる矛盾を庶民でも簡単に手に入る浮世絵にて表現した。そこが庶民に好かれる絵師として人気を博した理由でもあり、さらに、その作風は狩野派の技術を持って、圧倒的画力によって表現した稀有な絵師となったわけであるということであった。しかし、当時、これほど人気絵師が日本の美術史から消えたという原因も話された。

 

そこに、疑問をいだいた河鍋楠美館長が40年、調査と普及のために尽力された。暁斎は再び日の目をみたというのは館長の一途な努力に依るものだ。このように毎年、どこかで暁斎展が実施されているのはほかの絵師には無い、今、日本でももっとも勢いのある絵師であるというような内容のお話をなさった。

 

すべて、納得する講演にお客様の拍手も大喝采でした。暁斎についてもっと深く知りたいと思いました。

 

 


ぷらっとわらびで河鍋暁斎記念美術館へ

 

■日 程 :令和3220日(日)1330分~

■企画展:「丑うし年どしの 寿ことほぎ―新春祝画                                                  と七福神―」展

 特別展「暁斎が描いた挿絵本展

                    Part1 ― 小説・滑稽本の世界 ―」展

■参加者:暁斎塾メンバー 2

■レポート:Y.S


●東京開化名勝 川口善光寺之風景 惺々暁斎画(下部分)

 国周、豊二(署名:暁斎門人豊二写)明治 7(1874) 沢村屋板 大判錦絵

 

美術館と隣接している川口善光寺を「東京開化名勝之内」シリーズのひとつとしてあげられていた。

三つに分かれているが、下部が川口善光寺が描かれているが、「暁斎門人豊二写」という落款から、暁斎が描いた善光寺の景色を弟子の豊二が模写したものとのことと説明があった。

上部に二つの絵、下部その左側半分を国周画絵がいている。赤子をおぶっている女性がキセル加えて一休みしているが、赤子ののけぞっている様子を見るとその情景が思い浮かぶ。『百味請』という表示があるがはなんだろう。上部右の絵は男女が並んで踊っている感じだがこれはどういう情景はなんだろうか。

川口善光寺というだけで目を引いてしまった。

 

 

●七福神、ねずみの相撲を見る 暁斎(無落款) 紙本墨画、朱 団扇絵下絵

 

● 七福神、ねずみの相撲を見る 暁斎、暁翠加筆(署名:暁・翠)

 

二つの絵を見比べ、暁翠の表現の細やかさ、暁斎の影響を沢山受けていることがわかる。

 

●うゑぼうさう(本石町 中川) 暁斎(署名:応需惺々暁斎) 校合摺

「うゑぼうさう」初めて聞いた言葉である。「うえぼうそう」とよび、調べてみると「疱瘡」を「植える」、種痘ことだとわかった。当時、日本でも大変疱瘡ががはやり、その厄除けとし👈の絵も暁斎はたくさんかいている。

 

●牛のいる家 暁斎(署名:応需惺々暁斎) 校合摺

明治時代、東京の本郷や千駄木、駒込などには牧場があり、牛が飼育されていました。伊藤佐千夫墨田区江東橋に乳牛店を開業していたらしい。暁斎筆《旭ニ鴉之図》を所蔵していたことで知られる作家と書いてあり暁斎とのつながりがわかった。

 

●これは第14代将軍家茂(いえもち)が上洛する絵である。東海道錦絵シリーズが 162 枚のうちの一枚でだそうで、その様子がこまごまと描かれている。

特に庶民の日常の生活も一緒に描いているところが暁斎らしい。また、子供たちの情景がありありと描かれており、とても温かみがあり、暁斎の優しさがうかげえる。

 

その他、『牛店雑談安愚楽鍋』著:仮名垣魯文、同じく魯文の『万国航海西洋

道 中膝栗毛』『河童相伝胡瓜遣』などなど興味ある作品がたくさん展示されており、ゆっくり見るには数日かかりそうだった。

 

 


■河鍋暁斎の底力・東京ステーションギャラリー

 

日 程 :令和2年11月28日(日)

              ~令和3年2月7日

■参加者:暁斎塾メンバー 

■レポート:「暁斎ん底力」展 感想

 

感想1

コロナ禍の中、開催された「河鍋暁斎の底力」さてさて、今回、この展覧会を拝見し、まさしく「暁斎の底力とは下絵に有り」と感じました。また、暁斎の得意とする書画会での席画は一日に何百枚描くと聞いていたが、「逸話かな?」と思ったこともあったが、今回、下絵をみてその背景には暁斎の綿密な構想の積み重ねから生まれてくるものと合点がいった。河鍋暁斎記念美術館でも本画と共に下絵もしばしば展示されるが、これほど多くの下絵を一度に見せるといった企画発想は流石、暁斎美術館とステーションギャラリーの太っ腹、感謝しかない。素晴らしい展覧会だった。YS

 

暁斎塾メンバーの感想文より

 


感想2

昨日開幕した〈河鍋暁斎の底力〉展(@東京ステーションギャラリー;東京駅丸の内北口)に早速行って来ました。 [招待券を「暁斎塾」(下記HP参照)の代表にいただいていたので、事前予約もなしで入館できました。この場をお借りして深謝申し上げます。

さて、本展示会は、河鍋暁斎の曾孫である河鍋楠美先生が館長の『河鍋暁斎記念美術館』が埼玉県蕨市にありますが、同館所蔵の下絵、席画、絵手本等々が余すところないほど展示されており、同ギャラリーの気合いの入った展示会であることを感じました(企画は同ギャラリーの学芸員の方が温めていた由)それにしてもこの展示会のキモは、すべての展示物が暁斎だけの筆力を示す、他人の手が入っていない写生、模写、下絵、席画、絵手本等しか展示されていないところですだから、カラフルな本絵などは一切この展示会では展示されていないのです

でも、地味なんてことはないのです🤗是非、本物の暁斎に触れてみてくださいませ。

 

因みに、東京駅内部の建設当時のレンガが保存され、3階から2階に移動するときに目の当たりにできるのも東京ステーションギャラリーのナイスなところです。


ぷらっとわらびで河鍋暁斎記念美術館へ

 

■日 程 :令和2118日(日)1330分~

■企画展:「《新富座妖怪引幕》完成140年記念 

                    暁斎の妖怪画」展

 特別展「華やかな『暁斎楽画』の世界―複製本より―」展

■参加者:暁斎塾メンバー 4

■レポート:A.


 

蕨駅西口より「ぷらっとわらび」に乗り河鍋暁斎記念美術館へ行ってきました。バスは蕨の町中をジグザグと進み、住宅街に入っていく。本当にこんなところにあるの?と不安になり始めたころ、美術館に到着した。

 

今回は、暁斎が4時間で描き上げたという巨大な引幕「新富座妖怪引幕」の完成140年を記念した展示会で、ろくろ首や天狗など、暁斎とその一門による妖怪画が集められている。

 

最初に目を引いたのは、「名鏡倭魂 新板」の錦絵である。この絵は、実在の刀鍛冶と鏡研師により鍛え磨かれた和鏡により、異国からきた妖怪を退治している様子が描かれている。鏡から放たれる光線にものすごい迫力があるのと同時に、妖怪が慌てふためく様子が滑稽に思える。当時の西欧文化の進出に反発する世相を描いたものだろうか。

 

今回、天狗の絵もたくさん展示されてあった。面白かったのは「像と天狗の鼻相撲」である。確かに両者とも鼻が長いのだが、鼻をからませて相撲をするという構図がとてもユニーク。当時、ほとんどの人が見たことがなかった象と、想像上の生き物の天狗が相撲する様子を描ききるのは、さすが暁斎と思った。

 

著作権の問題があるので作品はインターネットで検索してください。

 

 

以上


ぷらっとわらびで河鍋暁斎記念美術館へ

 

■日 程 :令和2年1025日(日)1515分~

■企画展:筆禍事件から150年 暁斎の風刺画 展     

 特別展 『故・立原位貫 復刻浮世絵版画 展

  (両者とも今日が最終日です)

 ■レポート:暁斎塾・佐藤

  

  蕨駅西口より「ぷらっとわらび」に乗り河鍋暁斎記念美術館へ行ってきました。

 バスの運転手さんが美術館の名前をかんでしまって、2度目は「河鍋美術館です」と

 省略形で案内。わからなくはなかったが「クスッと」笑ってしまった。ごめんなさい。

 

 今回は風刺画特集。やはり、暁斎のパンチの効いた風刺は面白い。

ぱちんとキャプションに向けてシャッターを切りたかったくらいです。

面白ずくめの作品が満載。今日の一品(逸品とでもいおうか・・・)

初っ端から立ち止まってしまった。

狂画五十三驛之一枚 関 一休禅師 地藏尊かいげんのづ 

   暁斎(署名:酒乱斎雷酔戯画)大金板 慶応2年(18666月 大判錦絵

 

一休の大人への頓智。その上をいく暁斎戯画。絵に顔を近づけて見ると署名でさらに笑ってしまった!この絵だけでも見どころ満載、おなか一杯。一気に家路にとおもったが色々妄想が渦をまき、帰りしな思わずカフェで一休み。早速、ネットで作品を見るとさらに覚醒。楽しい絵ときの宿題と元気を家に持ち帰る。やっぱり、暁斎は天才だ!

所有権の問題があると思うので絵はネットで調べてください。

 

「大金板」[地元]をネットで調べる。

 大黒屋 金之助(だいこくや きんのすけ、生没年不詳)は江戸時代末期から明治時代にかけての地本問屋。 来歴[編集]. 大金と号す。

 

 地本(じほん)とは、江戸で出版された大衆本の総称。洒落本・草双紙・読本・滑稽本・人情本・咄本・狂歌本などがあった。


東京ステーションギャラリー「河鍋暁斎の底力」

の影に、「河鍋暁斎記念美術館館長(暁斎の曾孫)の河鍋楠美氏」の底力あり。

そして、今、私たちが暁斎にお目にかかることができたのは河鍋楠美氏の暁斎への深い愛とそしてゆるぎない信念。まさしく楠美氏の底力、感謝に堪えません。ぜひ、こちらの記事をごらんください。



ぷらっとわらびで河鍋暁斎記念美術館へ

『ぷらっと暁斎』レポート

■日 程 :令和2年913日(日)1215分~

■企画展:筆禍事件から150年 暁斎の風刺画 展                    9/110/25

 特別展 『狂斎百図」に見る暁斎のゆうもあー展                   9/125

■参加者 :暁斎塾メンバーとゲスト

 

■レポート:暁斎塾・スタッフ


 今日は台風のせいもあって、幾分暑さは和らいで凌ぎやすい一日でした。

1205分に蕨駅西口で待ち合わせ。まるで、door to door。本当に便利になりました。

 

今日、私が一番みたかったのは謎につつまれて「筆禍事件の記録」でした。今まで、様々な噂がありましたが、陳述書と思われる写しが公開され、暁斎の当時の取り調べの様子が想像できました。

この陳述書は明治31015日とありますので、当時の社会的背景など考えるに、暁斎さんの胸の内をさらに深堀したい心境になりました。貴重な資料が見られて良かったです。

 

その他、暁斎の風刺画が40点余展示されていました。政治的に深い意味がある「狂斎百狂 どふけ百万編」「一寸見なんしことしの新ぱん」「開化人と旧幣人の髭引き」「異人と侍」「化々学校」などその絵が意図していることを探るのはその時代の背景を熟知していないと、その謎解きには不十分と感じました。暁斎の社会に対する思いの深さを感じました。

伊蘇譜物語から4点展示されていました。

西洋のイソップ物語は古代ギリシャの説話集とされていますが、現在でも親子で読む童話集、絵本等でお馴染みです。また、大人の教訓集としてもアレンジされたものが書店で見かけます。しかし、ここで展示されている、暁斎の「伊蘇譜物語」は内乱や戦争が勃発し、混沌を極める維新後の、新旧の争いを暁斎ならではのユーモアを交えて鋭く斬っています。この時代は暁斎さんにとっては描いても描いても尽きない話題がゴロゴロ転がっており諷刺画を描くには事欠かない、まさしくこの時代にふさわしき絵師だったとおもいます。

実は内容が濃くって半分もみていません。10月も美術館を訪問する予定です。

 

 

 


蕨歴史民俗資料館訪問 

 

■日 程 :令和2年8月22日(土)

■参加者 :暁斎塾スタッフ

■レポート:暁斎塾・スタッフ

 

雨が恋しい激暑真っ只中、蕨駅西口発コミュニティバス『ぷらっとわらび』西ルートで8分、近くてびっくり。蕨歴史民俗資料館内に「河鍋暁斎紹介コーナー」もでたことがきっかけで暁斎塾のスタッフで訪問。

入るときはうっかり通り過ぎてしまいそうな感じでしたが、戻る際は真っ正面。「文読む美人」がとても耀いていました。蕨市は江戸から2番目の宿場町、その街並みを描いた模型が中央のガラスケースに収められていました。また、当時の居住・食文化の様子は人形とも思えないほどのモデル、リアル感がただよっていました。その他の様子はこちらの画像をとおしてご覧下さい。【蕨市公式ウエブサイトより】



 

 ぷらっとわらびで美術館へ『ぷらっと暁斎』

 

レポート

■日時:令和2年7月12日(日)12時30分~14時30分

■参加者 :暁斎塾メンバー

■レポート:暁斎塾・スタッフ

■テーマ :企画展 暁斎一門が描いた動物戯画展

          (7/1〜8/25

      特別展 かえる展 

          (7/1〜7/25)

 

梅雨の合間の久々の夏日、1215分南ルート循環コミュニティバス「ぷらっとわらびに」乗って、22分で河鍋暁斎記念美術館前に到着。とても便利になって嬉しいです。今月は動物の戯画展がテーマです。暁斎の描く動物の世界は絵に出会っただけで自然と心が緩む。


また、暁斎が得意としている世情諷刺も楽しい。謎解きにしばし立ち止まってしまう。今年は世界中、新型コロナウイルスの蔓延でどの国も感染対策に翻弄している。日本もこのところ感染者が増え、国民は憂鬱な日々を送っている。そんな中、暁斎の優しさあふれる作品にとても癒された一日でした。さてさて、もし、暁斎が今、この世にいらしたらどんな絵を描かれたでしょう!

 

 

 

企画展 暁斎一門が描いた動物戯画展 7月12日(日)

三人の見学者による、今回のお気に入り作品〜

 

一人目「蓬萊之図」

この軸装は細身の双幅で気に入った今日の一番でした。館長の河鍋先生にお聞きしたら「お祝いやおめでたい時に掛けるのよ」とおっしゃられました。いかにも松竹梅、鶴亀おめでたい。太陽と月、明暗、鶴亀、松竹梅、水と地上、上下等の数々の対比が面白く、そしてこれらの絵の細かな描写がとってもリアルでした。鶴の足の鱗の様な模様や、今にも動き出しそうな鶴亀のその姿が、狩野派の正統な描き方の一点として素晴らしいと改めて暁斎のジャンルの広さに驚かされました。今回の一番、床の間にお正月、この様な傑作が飾られていたら素晴らしい一年の幕開けになるだろうと妄想してしまいました。

 

二人目「ふぐの滝のぼり」

暁斎の洒落っ気たっぷりの作品。「鯉の滝登り」の「鯉」を「ふぐ」に置き変えて描いた掛軸でした。通常なら滝のなかを颯爽と水を切って登っていく「鯉」の姿が、この作品ではぽっちゃり体型の「ふぐ」がなんとか水をかきわけて登っていくかのように描かれていて、その姿に愛おしさを覚えずにはいられませんでした。この「ふぐ」は、暁斎の手によって、現代なら主人公的なキャラクターとして描かれていながら、上部の岩と滝は「鹿子木董玉」という画家が描き、さらに漢文の賛は俳諧師の四台目近藤金羅によってふぐを「福」に掛け、「ふくゝゝと豊かな年や升ゝ深き」と記しているという合作とのこと。暁斎の滝を登るが如く豊かな才能が、他から異なる才能も引き寄せているかのような、なんとも縁起が良く、楽しい一作でした。

 

三人目「猿の三番叟」

以前、蕨市立文化ホール「くるる」において「暁斎・暁翠が描いた能狂言の世界」というシンポジウムが開かれましたが、その時から暁斎がとても能や狂言を好んでいたことを知り、この作品を見たときに、まずそのことが思い出されました。この絵では、猿が「三番叟」を舞っているのですが、その姿からは「暁斎」そのものが連想できました。シンポジウムでも紹介されましたが、暁斎は大蔵弥太夫虎重について大蔵流狂言を習っていたとのことで、その能狂言を学ぶ費用は師の狩野洞白の祖母貞光院が援助してくれていたとのこと。貞光院の3周忌には、その墓前で暁斎自身が三番叟を舞ったとの逸話があり、まさに猿に己の姿を投影しているかのような味わい深さのある絵でした。

 

 


『暁斎×暁翠』展 

 父娘で挑んだ画の神髄 河鍋暁斎・暁翠伝

 

■日程:令和2年1月25日(土)~3月22日(日)

■会場:高崎市タワー美術館

■参加者:暁斎塾メンバ

 



■レポート

入口を入るとまずは、暁斎の絵が並ぶ。

「極楽大夫図」、「文読む美人」、「美人観蛙戯図」、「鯉の滝登り」と良く知られた絵で

何度も見ているがやはり素晴らしい。

ここで紹介したいのは、「竹虎の図」である。

迫力る虎と、凛とまっすぐに生えた竹が、まさに動と静った感じで描かれている。

虎は日本に生息しておらず、この時代の画家は虎の絵を想像で書くしかなかったが、

暁斎は生で虎を見たと言われており、細かい特徴を捉えられたのかもしれない。

 

しばらく暁斎の絵が続いた後、今度は暁翠の絵が並ぶ。

比べてみると、暁翠の絵の方が、構図が緻密で繊細な絵のように思える。

暁翠の絵からは、「美人を驚かす内裏雛」を紹介したい。

お内裏様はあかんべをして若い娘を驚かしている。娘は驚いており、お雛様はそれをみて笑っている。

手には子供を抱いているのかと思ったら犬筥とのこと。その周りの道具が緻密に細かく描かれており面白い。

 

途中、暁斎と暁翠の合作の絵が出てきた。

人物を暁斎と暁翠で描き分けているとのこと。

二人でどんな相談をしながら書いたのだろうか。

そんな想像をしてみるのも面白い。

 

今回、暁斎の下絵も何点か飾ってあった。

その中で印象に残ったのが、「日本武尊の熊襲退治 下絵」である。

「古事記」「日本書記」に出てくる悲劇の英雄、日本武尊(やまとたけるのみこと)が、

熊襲(くまそ)の弟を討つ場面だ。

構図が素晴らしく、日本武尊がとびかかる様子がダイナミックに描かれている。

完成品が見つかっていないそうだが、見てみたいと思わせる逸品である。

 

最後に今回最も印象に残った作品を紹介する。

それは、意外にも絵ではなくて、暁斎の印影が描かれた筆入れである。

漆塗りの上に暁斎が使っていたさまざまな印影を金蒔絵で散らしたもの。

鴉に関する印文があることから、明治14年以降に作られたものと言われているそうだ。

「鴉思」、「拙筆居士(せっぴつこじ)」といった暁斎の印影が、

鴉の絵と篆書体で書かれており、とにかくかっこいい。

今まで、数多くの暁斎の絵を見てきたが、印影は全く気にしていなかった。

調べてみると、コンデルの書いた本に印影(Seals)を集めた紹介があり、

印影だけでも面白いものが沢山あることが分かった。

さすが、暁斎である。絵以外でも目が離せない。

 

 

竹虎之図 (河鍋暁斎筆 河鍋暁斎記念美術館所蔵)

美人を驚かす内裏雛  (河鍋暁翠筆 河鍋暁斎記念美術館所蔵)

日本武尊の熊襲退治 下絵(河鍋暁斎筆 河鍋暁斎記念美術館所蔵)

Paintings and Studies by Kawanabe Kyosai byConder

       

by暁斎塾 A.K


ぷらっとわらびで美術館へ『ぷらっと暁斎』 

 

レポート

■日 程 :令和元年1020日(日)14時~16

■参加者 :暁斎塾メンバー. 河鍋暁斎記念美術館友の会・一般

■レポート:暁斎塾・スタッフ

■テーマ:別展暁斎プラスワンシリーズ

匠の技 江戸庶民が愛した「狂齋百圖」復刻―摺氏三田村努の世界―

 

「ぷらっと暁斎」河鍋暁斎記念美術館に行きたいと思っているのだけれど、なかなかきっかけがなくって・・・」と思っている方のために蕨駅から出ているコミュニティバス(ぷらっとわらび)で暁斎塾のスタッフが同行する企画をしています。今日はプラスワンシリーズで特別展をなさっている摺氏の三田村努

さんの木版画にまつわるお話を交えながら2時間にわたる実演を体験しました。

 

実演に入る前に三田村氏の座っているまわりには刷毛、絵の具皿、ブラシ、バレンが置かれていた。バレンは竹の皮をひも状に編みこんだものを鉄の丸い形の板に沿ってぐるぐるまきあげたもの。ご自分でつくるとのこと。また、毛の柔らかさ、太さ、長さがそれぞれ異なるブラシが十数個、三田村氏曰く、ブラシは明治になって靴が出はじめてから、靴磨きとしてブラシが出回り、それをあの時代の摺師が利用したのが始まりではないかとのお話もきかれた。その他に椿油もあった。絵を浮き立たせるために昔から使われていたともおしゃっていた。

 

版木は、絵によってその数は異なるのだが数枚に分けて彫ってある版木が用意されていた。硬さ、色の乘り具合で山桜の木がよいそうだが、昨今その山桜が少なくなりこれから先が危ぶまれるとおしゃっていた。手すきの和紙も職人が少なく調達に大変とのことであった。

 

用意された版木に色を置くのだが、そのまえに小ぼうきのような刷毛で一振り、いったい何をひとふりしているのかとても不思議だったが、でんぷん糊だそうだ。昔と違っていまは文具屋さんで売っている工作用ののりだそうだ。いまの工作用のリは防腐材が入っていて理にかなっているそうだ。

 

さて、版木の角にある「けんとう」に和紙を合わせ刷り上げていく。版木は塗りが少なくて済むように合理的に考えており、同色の使用によって彫られている。力も大事だが根気が大事ともおしゃっておられた。数回の工程を経てできあがるのである。木版画は絵師、彫師,摺師の分業による手仕事。色は指定されているものの出来上がりは色の具合が微妙にちがう。結局は摺師さんのセンスによるということだとわかった。

 

 

実演のチャンスはなかなかない。しかも、河鍋暁斎の作品を刷っていただき、大変貴重な体験をさせていただいた。楽しかった!充実した一日でした。


ぷらっとわらびで美術館へ『ぷらっと暁斎』 

 

■日 程 :令和元年9月8日(日)14時~16

■企画展 :企画展「暁斎の団扇絵―実用と鑑賞―展」

 同時開催・暁斎プラスワンシリーズ31

 長野千裕 陶器絵付け―暁斎先生へのオマージュを中心に―

■場 所 :河鍋暁斎記念美術館

■参加者 :暁斎塾メンバー.

 


 

 この日は夜から大型台風が来るという最悪の予報。時々、強い雨もありましたが、この時間帯はちょうど一雨降った後、助かりました。会場は町歩きの団体の方々が10名ほどいらしており、台風の予報もさることながら思いがけなく賑わっておりました。

 

第一展示室

暁斎のお弟子さんである真野暁丁、暁斎の娘の暁翠、暁斎と三者の軸が展示されておりました。いつもながらはっとするのですが、「風俗三題」に描かれている動物は小さな紙面でも動物がイキイキと描かれ、躍動感を感じました。

また、暁斎の得意とする鴉、今回は「柿に鴉図」ですが、鴉が真っ赤に熟した柿を狙っているその目の描写は実にリアルで、こちらまで惹きこまれてしまうほどの魅力がありました。また鴉の黒と柿の朱色の対比がとても美しかったです。

  

また、壁面には「団扇絵の版画ができるまで」と題して、「百合と蟷螂」「花菖蒲に翡翠」「蜻蛉と花菖蒲」「かのこゆりと小鳥」の4点が団扇絵として紹介されていました。暁斎の植物画の繊細さ、そして優しさがこもった心温まる団扇でした。

 その他、『花鳥・動物画』3点、『能・狂言画』に至っては5点とも団扇の中に繊細な筆使い、その情景が細かく描かれいて、思わず見入ってしまいました。

 

他に『名所絵・風景画』5点、この団扇絵も浅草の駒形橋を題材に描かれており、雨に急ぐ人々の様子がありありと描かれていました。また、花見で名高い飛鳥山、富士山を背景にほろ酔い気分で歩く男女の姿が楽しそうでした。「萬代橋夕景」においても団扇を持って夕涼みする家族(?)、当時の日常を伺える絵でした。どの絵をみてもその中に物語を垣間見る絵で楽しく見させてもらいました。

 

のぞきケースには『比較鑑賞―下絵・校合摺と完成品―』として、9点あるのですが、とても見きれませんでした。第2展示室でも『美人画』『戯画』『歴史物語絵』『江戸の生業』『子供絵』などに分類されそれぞれが素晴らしくもう一度、じっくり時間をかけてみたいとおもいました。絵を見て歴史を知る、まさしくこれらの絵から当時の生活ぶり、社会事情が分かる貴重な絵たちでした。また、日をあらためて伺おうと思います。

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今回は暁斎プラスワンシリーズ31として 長野千裕さんの 陶器絵付け―暁斎先生へのオマージュを中心に―が展示されていました。河鍋館長より暁斎作品の絵付けを勧められたのがきっかけとのこと、一部、4点ほど『暁斎楽画』からの題材のもの、その他、伊万里大壺・磁器大壷『地獄太夫ともののけたち』の大作でしたが、いづれもパネルでの紹介でした。実物が見たかったなぁ!その他ケース棚のなかには小さな作品は大黒天とねずみの子供たちよりアロマランプの1点、戯画、蛇を捕まえる蛙より猪口1点、蟹の綱渡りよりそば猪口1点、猪に乗る蛙と蛙の学校よりカップ&ソーサー1点が作品となっていました。どれも可愛い!小さな食器たちです。何とも言えない幸せ感。きっと暁斎は使ってほしいと思うでしょうが、やっぱりガラスケースに飾ってしまいそうです。作者の長野さんは「模写して絵付けしていけばいくほど、暁斎の画力の凄まじさを感じました」とおしゃっておりましたが、絵を描くかたはだれもが同じことをお話になります。そこに、暁斎の作品の奥深さ、また、絵を通してのまなびがあるのだとあらためておもいました。実演も体験させていただき、楽しい暁斎展の一日でした。

レポート:暁斎塾 Y.S 

 


 ぷらっとわらびで美術館へ『ぷらっと暁斎』 

 

 

  ■日程: 令和元年713日(日)14時~13

       令和元年810日(日)14時~13

 ■企画展:暁斎生きもの図鑑 展

  同時開催:第33回かえる展

  ■参加者  :暁斎塾メンバ


 

レポート

月の企画展は暁斎の「鯉魚遊泳図」が展示される上にジョサイア・コンドルの「鯉魚」も同時に展示されると伺ったので、これは是非とも見ねばと思い美術館へ行ってきました。

 

やっぱり、良かった!!暁斎の鯉はちっとも止まっていない。流れに身を任せて泳いでいる姿は、水の流れまでがとても美しく感じた。以前、NHKの日曜美術館で鯉の描写のしかたを実演を以て説明されていたが、暁斎の眼力の凄さはこの絵でもよくわかった。

暁斎の弟子であるジョサイヤコンドル(暁英)はがとてもよくその技法を学んでいると感じた。このコンドルと暁斎の作品をみていると師と弟子に流れる信頼感のようなものをも感じさせてくれた。こんなに至近距離でみられるとは貴重な展示であった。

暁斎が描く生き物は本当にかわいらしく愛情に満ち溢れている。どの生き物も今にも動きだしそうであった。さらにその描写の精密さはこのうえない。

 

第一展示室にあるのぞきケースには小さな生き物、トンボやオケラ、蝶などの昆虫からナマズ、魚類が展示してあった。その繊細なこと。原寸大だそうだ。凄い!また、「芙蓉にトンボ」、「萩に鮎」、「月に蝦蛄」などのようにその組み合わせが奇抜。これにも暁斎のアイディアの豊富さが伺えた。

 

第二展示室には鳥や獣、ライオンもあった!このライオンは初めてお目にかかった。表情が印象的だった。

 

ショップにあるハンカチにもある「眠る猫」が展示されていた。この猫をずっとみていると本当に眠くなりそう。この絵、1点だけをじっくり見てみたい。

 

同時開催のかえる展にちなんで、暁斎の蛙戯画が78点て並んで展示されていた。蛙たちの会話まで垣間見ることができる暁斎の描く仕草に思わずほくそ笑んでしまう。

 

「蟹の綱渡り」、これは色々な場面でお目にかかる作品だが、この一画面だけで蟹たちの曲芸の数々、まるで小さなサーカス小屋のようだ。暁斎の戯画はほんとうに楽しい!

 

 

 

 

暁斎塾 YS


 

仏教家と画家が紐解く~暁斎が仏画に込めた想い

 

日 程 :20195月3日(金・祝) 13:301700

       

会場 :蕨市民会館コンクレレホール 

 

出演  金岡秀郎 (国際教養大学 特任教授)

 

         若麻績敏隆 (善光寺白蓮坊住職、画家)

 

 山口晃    (画家)

 

 曽田めぐみ (東京国立博物館アソシエイトフェロー)

 

 一ノ瀬修一 (アイメジャー株式会社代表取締役)

 

 安村敏信   (萬美術屋、北斎館館長)

 

 河鍋楠美  (河鍋暁斎記念美術館館長)

 

 参加者 :暁斎塾メンバー (さいたまART GEM BOX) 

 


■第一部 暁斎が描いた「観世音菩薩」

 

アイメジャー株式会社が開発・設計・製造したデジタルアーカイブ用イメージスキャナを用い、デジタル画像化した暁斎作「観音菩薩像」(長野県松本市・日本浮世絵博物館蔵)を同社代表取締役・一ノ瀬氏が解説。画像を拡大することで、一見しただけでは見過ごしてしまう、絵の細部まで鮮明に見ることが可能となる。技術のすごさに驚かされた。

 

■第二部「暁斎が描いた追悼絵 part2「地獄極楽めぐり図巻」

 

地獄極楽めぐり図巻・・・暁斎の大の贔屓だったという日本橋大伝馬町の大店、小間物問屋の勝田五兵衛が、14歳で夭折した娘・田鶴(たづ)を一周忌で供養したいと、暁斎に制作を依頼したもの。娘が極楽往生するまでの旅の様子を、優雅で丁寧な筆致で表したユーモアに溢れる作品。

 

追悼絵である「地獄極楽めぐり図巻」における暁斎・極楽図について

 

河鍋館長から暁斎の「地獄極楽めぐり図巻」の極楽図について、不謹慎という考えもあろうと思うが、ただ、この絵は暁斎が14歳で亡くなられた田鶴さんの亡きあとの両親をおもんぱかり描いた絵である。皆さんの解釈を知りたい。特にお坊さんの立場からのご意見を是非お聞きしたいとの希望があった。

 

●金岡秀郎氏からは極楽図では一般には蓮台に乗って仏様を送りだすところまでが描かれているが浄土に向かうまでの一連のことはおそらく暁斎のこの絵だけだろうとさらにこれは今後の仏教の研究資料となると、高く評価していた。

 

●善光寺白蓮坊住職の若麻績氏からは、私たちの心のなかには10の世界が備わっている、それは人間の心を十種に分類したもので十界といい、釈迦にもあるという話を図で示された。暁斎が『地獄極楽めぐり図巻』が描けたのは、毎日、日課観音を描いていたということから、暁斎は仏法の十界をよくわかっていたのではないかという説明があった。納得がいった。

5~6歳児の女児の絵を示し、どの女の子も太陽、 花、みどり、人、手を繋ぐといった平和を描いている。この女児たちの絵が、実は極楽の世界を表しているのではないかというお話があった。大変興味深いお話だった。

  

●曽田氏の発表は「地獄極楽めぐり図巻」の中に田鶴がファンだった歌舞伎の役者絵が描かれている。その役者は誰なのか?また、その役者絵は誰によって描かれたのか?

勝田家の紋様から検証して五代目尾上菊五郎と説明。さらに、その役者絵は三代目歌川豊国の作であるということを暁斎の絵日記から立証。

 

■第三部 パネルディスカッション

 

●第二部での曽田氏から「絵の締切日」の質問があった。山口氏のお答えに曽田さんより、暁斎の「地獄極楽めぐり図巻」も最後の第三十七図を一周忌までに間に合わせたが、実は暁斎は途中筆禍事件で暁斎の中では未完成であった。そのため、別に二年後に極楽列車で田鶴さんが仏になるという絵を贈ったとのお話が加えられた。

 

●極楽図と地獄絵について、金岡秀郎氏と若麻績敏隆氏からのコメントがあった。地獄絵のほうが表現する場面が断然多く面白いため多くの絵師が描いている。しかし、暁斎の「地獄極楽めぐり図巻」の極楽図は大変珍しい。そして、ユーモアがあり、暁斎だからこそ描けたと両氏が断言していた。

 

●曽田氏より、下絵についてのコメントがあった。完成した絵では分からない事が、製作中の下絵で、読み解くことができる。何を描きたかったかがわかると一層興味を持って鑑賞できるとのコメントがあった。一方、山口氏のお話の中では知識が入ると、絵をみる視野が狭まる事がある。先入観なく、広い視野で絵を見られると楽しい!というコメントもあった。

 

 

全体として

 

第二部では「地獄極楽めぐり図巻」に焦点がしぼられ、お坊さん、仏教研究家、美術史研究家、画家の皆さんがそれぞれの観点からかなり突っ込んだところまでお話になり、印象に残る点が多々あった。暁斎の絵の素晴らしさ、仏教への造詣の深さ、さらに暁斎の人となりがお話を通して十分に伺えた。ただ、全体として出演者の持ち時間が少なく残念であったが、3時間半にわたる長時間にもかかわらず途中で席を立つ方が一人もいなかったとのこと、全体を通して大変充実した公演であったと思う。

 

 

 


■日 程 :20194/14() 13:20~ぷらっとわらびで美術館へ

■場 所 :河鍋暁斎記念美術館

■件 名 :企画展「亥年の福神画」見学について

■参加者 :暁斎塾メンバー(さいたまART GEM BOX)

 

 


 

■レポート:

 昨年、12月に左手のピアニスト智内威雄さんと能楽師大蔵流狂言方、善福隆司さんの河鍋暁斎のイソップ物語を題材にしたピアノと朗読のコラボレーションを鑑賞しましたが、子供の時読んだあのイソップ物語にこんな風刺画潜んでいることを知ってとても興味を覚えたという体験をしました。

 今回、偶然にも、暁斎のイソップ物語の原画にお目にかかることができました。暁斎のウィットの富んだに作品に触れ、当時の歴史背景を知ることができました。暁斎のパンチの効いた諷刺と細やかな描写に心が弾みました。

 

暁斎塾 Y.S

参考画像  webサイトより画像転写

    伊蘇譜物語之内 開帳仏の話 

    伊蘇譜物語之内 兎の身投げの話

    伊蘇譜物語之内 羊と狼の話 

    暁斎楽画 第六号 伊蘇譜物語第一之巻二十九枚目 日獅子恋募之話


暁斎・暁翠が描いた能狂言の世界

          ~特別公演:大蔵彌太郎 狂言『伯母ヶ酒 

 

■日 程 :2019年3/24(日) 14:00~16:20
■場 所 :蕨市立文化ホールくるる
■参加者 :暁斎塾・幸野哲也 (facebookより)

 

■レポート:

埼玉県蕨市の蕨市立文化ホール(くるる)におけるシンポジウム「暁斎・暁翠が描いた能狂言の世界~特別公演:大蔵彌太郎 狂言『伯母ヶ酒』」

特に第二部:狂言の特別公演はよかったですね

 

💓大蔵彌太郎氏のサービス精神旺盛な語りも最高でした

能狂言は能楽堂でしか鑑賞できないと思っていたので、感激です

じっくりと〈観劇〉できました。


河鍋暁斎記念美術館館長・河鍋楠美氏


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能楽師大蔵流狂言方・大蔵彌太郎氏、埼玉県蕨市のシンポジウムで大サービスです

河鍋暁斎関連シンポジウムで、暁斎自身が能狂言の免状を持ち「伯母ヶ酒」を演じたとして、

写真のとおり再現を試みられた次第ですこのコラボに大興奮。

 

写真タイム



「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」 見学記録

 

■日 程 :2019年3/16(土) 14:00~15:30
■場 所 :サントリー美術館
■参加者 :暁斎塾メンバー(さいたまART GEM BOX)

 

 

■レポート:

河鍋暁斎の「狩野派絵師」としての活動と「古画学習」を大きな軸としながら幕末・明治の動乱期に独自の未位置を切り開いた暁斎の足跡を展望する展示会を見学しました。以下はそのレポートです。

入口から入った最初のところに、いくつかの代表作品のレプリカが飾ってありましたが、その中に「枯木寒鴉図」と「蛙の人力車と郵便夫」がプロジェクターで投影されていました。鴉が飛び立ったり、蛙が動き出したりするアニメーションが映し出され、とても面白い演出でした。


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No.17 幟鍾馗図

狩野派でよく描かれる鍾馗の図ですが、その後ろの幟に東京オリンピックのマークに似た図柄をを発見!調べたら「上り藤」という家紋なんですね。きっとオリンピックのデザイナーが参考にしたのでしょう。

 

幟鍾馗図 河鍋暁斎筆 個人蔵 (図録より)


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 No.21 能・狂言面之地取画巻

能や狂言の面がいろいろな角度から描かれている。暁斎が、能や狂言を観客として描いていただけではなく、実際に習っていたとは知らなかった。

 

No.47 九相図

人間が死んで自然の中で朽ちて骨になるまでが描かれている。途中で野生動物が死肉を食べに来ている構図がリアル感を増している。

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No.50 蛙の蛇退治

弱いはずの蛙が蛇を退治している図。暁斎がよく取り上げる、弱者が強者を懲らしめる構図になっている。これも時の権力者を暗に批判したものだろうか。 

 

蛙の蛇退治 河鍋暁斎筆 ウイリアム。アンダーソン旧蔵 webサイトより

 


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No.69 貧乏神図

貧乏神を貧相に描いている。表装まで継ぎ接ぎされた感じを出しており、徹底的に描く暁斎のこだわりを感じた。 

 

 貧乏神図 河鍋暁斎筆 イスラエル・ゴールドマン・コレクション 


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No.88 地獄極楽図

横3m、縦2mくらいある大きなる絵。個人的には今回の展示会で一番迫力を感じた。閻魔様を中央に描き、その周りを右回りにストーリーが描かれている。机を覆っている布や、椅子の背もたれにも細かい図柄が描かれており、暁斎らしさを感じた。

 

地獄極楽図部分 河鍋暁斎筆 東京国立博物館蔵 web サイトより


 

暁斎塾 A.K


企画展「企画展「暁斎の戯画に見る風刺と反骨」展 

特別展「暁斎プラスワンシリーズ29 

野坂稔和 波の戯画展Part.3」」見学について

 

■日 程 :20193/10() 13:20~ぷらっとわらびで美術館へ

■場 所 :河鍋暁斎記念美術館

■参加者 :暁斎塾メンバー(さいたまART GEM BOX)

 



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■レポート:1

 暁斎「暁斎楽画 第七号 貧福出替り之図」明治7年 大判錦絵

 

「貧福出替り之図」とある。

なんだ、なんだ、これなんだ?!手前で酒に興じている男女の仕草に思わず「プーウッ」と噴き出してしまった!

 それほどいいことがあったのかなと思わせるひとコマ。しかし、上のほうをみると蔵へとよじ登っている裸男、また、屋根の瓦から這い出している小判の顔の男二人、また、右のほうには大黒様と恵比寿様と白鼠がいる。

そうかと思うと、上に「善」というお面を付けた人が糸で下方の人を操っている。この男は一体誰だろうか?

紐の行方は小僧とお酒を飲んでいない番頭のような男。 

もう私の頭はバラバラ。解読できない。しかし、この謎めいた絵に惹きこまれていく。

河鍋暁斎筆「貧福出替り之図」yahoo.webより

 

美術館の解説を見ると、この絵は人間の欲望が描かれており、どうやら、お金持ちの旦那衆が飲んだくれている間に、貧乏神が藏に侵入して小判を運でいるのを描いているそうだ。

つまり、金持ちだからといって酒に興じていると貧乏神が自分の藏に押し寄せ、小判も福も持っていかれるヨ!というお話のようだ。だからタイトルが「貧福出替り之図」となるわけだ。

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■レポート:2

野坂稔和 波の戯画展Part.3


暁斎とのコラボレーション『波の戯画展Ⅲ』、右のチラシの下段が野坂氏の作品である。

今回は主にG-SHOCK(水彩紙ボード、水彩)の七福神子宝遊シリーズとして8作品の原画が展示されている。暁斎から着想を得て、アイディア満載の作品になっている。微笑ましいものが多く、子供たちの未来の平和を祈りたくなる絵である。是非、ご覧下さい。

 

暁斎塾 y.s


企画展「亥年の福神画」見学について

■日 程 :2019年1/12(土) 13:20~ ■場 所 :河鍋暁斎記念美術館 ■参加者 :暁斎塾メンバー(さいたまART GEM BOX)

■レポート: 2019年最初の企画展ということで七福神などのおめでたい神様や観音様など
の神仏画、そして亥年にちなんで猪が描かれた作品が多く展示されていま
したが、印象深かった作品を2点ご紹介させていただきます。

 


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◎第一展示室
【壁面絵画】 ~猪年を祝って~
 七福富士萬喜神 暁斎(明治19年 武川清吉板 大判錦絵三枚続)
 この作品は富士の「巻狩り」を「萬喜神」とかけたもの、飛び出してきた大猪にまたがって退治をした仁田四郎を大黒天に置き換え、それを眺める源頼朝以下の人々を七福神に換えて描いたておめでたい見立て絵として描いています。<展示解説資料より抜粋>

 

尚、「巻狩り」とは遊興や神事祭礼や軍事訓練のために行われた大規模な狩猟のこと。平家物語でも登場する武将の仁田四郎による富士を舞台にした「巻狩り」は正月に繰り返し上演されるほどの人気狂言だったそうだ。猪の表情は獣そのもの、大黒天の使者であるネズミを翻弄しながらまたがるその姿は活力が溢れていた。また、七福神に置き換えられている左手に控える源頼朝以下の人々は、笑顔ではあるがその迫力に圧倒されているようにも見えました。<画像はBing imagesより>
                                                 

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◎第二展示室 ~新春の初芝居~
 新板大黒天福引の図 暁斎(明治20年 武川卯之吉板 大判錦絵三枚続)
 明治21年の子年に合わせて描いた「七福神シリーズ」の一つ、同じく大黒天とその使いであるネズミが登場し、宝引きをして盛り上がるお正月らしい作品。賞品には「十一番」二股大根。「二番」は小判。「一等」には暁斎らしく酒樽が控えている。 <展示解説書より抜粋>

新板大黒天福引の図 暁斎筆 画像はBing imagesより

                                      

現在でいうところの福袋や正月ビンゴ大会のようなイベントでしょうか。

「一等」の酒樽というのは流石、暁斎らしい。また、「十一番」で当選したネズミが背負う二股大根はなんとも艶めかしい描写。絵全体からおめでたい雰囲気が溢れ出ており、満面な笑みの大黒様が印象的でした。         

 暁斎塾 K.S


朗読と左手のピアノのための「通俗伊蘇譜(イソップ)物語」
2018年12月15日(土)14:00開演 蕨市市民会館

 

左手のピアニスト智内威雄さんと能楽師大蔵流狂言方、善福隆司さんの河鍋暁斎のイソップ物語を題材にしたピアノと朗読のコラボレーション。

作曲:川上統 、構成:黒田仁郎 協力:河鍋暁斎記念美術館

  • 一部
  • 1.伊蘇譜小伝  2.田舎鼠と都鼠の話
  • 3.呆鴉の話   4.犬と鶏と狐の話
  • 5.牧童と狼の話 6.獅子の母の話
  • 7.乳母と狼の話 
  • 二部
  • 8.老爺と息子と驢馬の話    9.胃袋と肢体の話
  • 10.ヘルキュス權現と車引き  11.風と日輪の話
  • 12.信の神と旅人の話

 

全12話からのお話で、内容に会わせて作曲された曲と善福氏の能楽師ならではの独特なリズム、何か未知の世界に惹きこまれていく不思議な気持を体験した。

イソップ物語を確か子供の頃に童話として読んだことがあるはずだが、実は風刺が効いた大人の読み物、そして、大人の啓蒙書でもあるということがとても興味深かった。

 

今回、全編ではないがタイトルごとにスライドで写し出された暁斎の絵、暁斎はどんな視点で挿絵を描いたのか、改めて実際、暁斎の描く挿し絵を物語と同時に見たくなりました。今日は大人の「伊蘇譜物語」に触れる貴重な一日でした。絵から読み解く伊蘇譜物語はきっと暁斎の人となりを知る一つの鍵になるかもしれないと思いました。    

暁斎塾 Y.S

 

 


講演会「新発見!《日課菅公》を語る」 

 

日時 2018年12月1日(土)開場14時

場所 湯島天満宮『梅香殿2階「会議室」

主催 公益財団邦人河鍋暁斎記念美術館

記念講話:押見守康様(湯島天満遇宮宮司)

     河鍋楠美(当館館長)

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本日14時半から、東京・湯島の湯島天満宮梅香殿2階において「河鍋暁斎記念美術館」(埼玉県蕨市)主催の「新発見!《日課菅公》を語る」と題する講演会があり、押見守康宮司と河鍋楠美館長による記念講話を聴講しました。

 なぜ湯島天満宮と河鍋暁斎がつながるのか、初心者の私にはよくわかりませんでしたが、今日の講話で大変な縁があるというこ...とを深く理解しました。

河鍋家所蔵の「天満宮 御神影領収簿」に湯島神社社務所が発行した、御神影の'領収証'があったことから、湯島天満宮に河鍋暁斎が描いた菅原道真公の画があるはず、探してほしいと河鍋楠美先生が押見宮司に手紙を送られ、同宮司も徹底的な神社内の捜索を指示。その結果、今般、湯島天満宮において暁斎筆の「日課菅公」が24枚発見されたもので、指示された押見宮司も大変驚いたとのことでした。

楠美先生によれば、「日課菅公」は全部で100枚あるはずなので、まだまだどこかにあるはずということで、今後も探していきたいと力強く語っておられたのが印象的でした。

それにしても、河鍋暁斎の作品はホント散逸しているので、今後もどこでどんなものが出てくるのか、(不謹慎ですが)ある意味楽しみですよね。

なお、来年2月6日から3月31日まで、六本木のサントリー美術館で「河鍋暁斎その手に描けぬものなし」という展示会があります!見逃せませんね。

                                   H30.12.1 暁斎塾 幸野哲也

 


2018年11月10日(土)

18:30開演/蕨市民会館
坂田明率いる渡来塵×智内威雄(左手のピアニス)ト×河鍋暁斎(絵師)

プログラムは3部構成でした。
一部は智内さんのピアノソロでした。会場のお客様の雰囲気をみて曲を変更なされ、クラシックライブそのものでした。何度か聴かせていただいていますが、左手だけとはおもわれない演奏で、いつも感心してしまいます。バッハのシャコンヌのダイナミックさは信じがたいほどの演奏でした。お隣のお客様に「すごいですね」と声かけられました。
二部は暁斎の映像『酒呑み童子」とそれに併せた坂田さんと智内さん、語りはデザイナーの桧山カツノリさんのコラボレーションでした。今回は坂田さんは演奏に徹していましたが、最後の叫びがあり、やっぱり坂田さんならではとクスッと笑ってしまいました。

三部は坂田さん率いる「渡来塵」グループ名の由来のお話から噴き出してしまいました。曲ごとに坂田さんらしい曲の解説で笑いを誘い楽しかったです。
①dance,
②Look at me(なんと坂田さんの研究対象のミジンコの叫びだそうです。)
➂音戸の舟唄(ご自分の故郷、広島県の民謡)。歌を歌われるのですが、迫力炸裂。すごかった!
④A good for nothing(役立たず)これも坂田作曲と歌なのだが、うなずきながら大爆笑。
⑤死んだ男の残したものは(あの名曲、谷川俊太郎さんと武満徹さんの名コンビの楽曲。それを坂田さんが歌うとさらに心に突き刺さる。鳥肌ものでした。)
⑥ひまわり(ヘンリーマシーンの映画主題曲、あの恐ろしいチェリノブエリのお話などされました。

1時間にわたる白熱演奏。坂田さんのアルトサックスの音色は実に美しい!
坂田さんと暁斎。なにか通じるところがあると感じました。
 
                                                    by 暁斎塾 y.s


北斎と暁斎・その娘応為と暁翠 -画家の父娘の物語-平成30年3月25日

今年に入って北斎の応為のことがメディアを賑わしている。応為」の画号は、北斎が娘を「オーイ、オーイ」と呼んだので、それをそのまま号としたのだそうだ。応為の作品数があまりに少なすぎることから、「北斎作」とされる作品の中にも、実際は応為の代筆とする作品が相当数あるという意見が取りざたされている。そこで、今回のくるるでのシンポジウムはその辺を「北斎娘・応為栄女集」を出版され、テレビ出演でもよくお出になられていたた久保田一洋先生、また、その辺を踏まえての北斎の作品と人となりを語ってくださる安村敏信先生、暁翠の孫であられる河鍋楠美館長、この三者の忌憚のないお話がとても面白かった。特に久保田先生は北斎の作品と応為が代筆されたという作品の検証、メディアではおそらく語られないことを大変細部にわたってお話くださり、興味深く拝聴した。


 

暁斎塾 Y.S


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁斎筆「新富座妖怪引幕」レプリカ 401.0×1704.0㎝
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館所蔵

 

蕨市民音楽祭会場、駅前のメイン会場に取り付けられた、4メートル×17メートル、この巨大引幕。これをなんと4時間で暁斎は書き上げたというから、凄い!さらに、当時の名役者を妖怪仕立てで描いても誰からもクレームが来ないというのは、相当なもんだ。暁斎と役者たちとの間に信頼関係があるからだろう。現在、活躍している曾、曾、曾孫か知らないが、是非、見てもらいたいものだなぁ!兎に角、圧倒される。普段は早稲田大学坪内博士記念演劇博物館に大事にしまわれているので、容易には見ることができなかったが、河鍋暁斎記念美術館でそのレプリカを作ってくださったのでこうして目にすることができる。とてもありがたい。

 

2017.10 暁斎塾 y.s

 


これぞ暁斎!美術館「えき」KYOTO

 

今日は台風後の京都へ出張でした、早く仕事が上がれたらと狙っていましたが閉館30分前になんとか入館。

渋谷Bunkamuraの時と同様にカラス、カエル、猫、ナマズ、虎等の動物達に癒されました^ ^

それにしても地獄太夫の美人画と踊る一休と三味線弾く骸骨という一見バラバラだけど絶妙な組み合わせってどうやって発案されるのでしょうか。。。

 

これぞ暁斎!

ゴールドマンコレクション

「世界が認めたその画力! 

 

暁斎塾のメンバーと鑑賞に出かけました。若者がとても多く、びっくりしました。暁斎大好きなイスラエル・ゴールドマンさんのコレクション。個人のコレクションで展覧会ができてしまうのもすごい。

 

1章「万国飛」世界を飛び回った鴉たち

   カラスが一堂会しての展示は初めてです。

   暁斎の墨の技、満載。

 2章「躍動するいのち」動物たちの世界

   とにかく愛くるしい動物が多かった。兎に角、動物

   たちの表情が豊か。ずっと見ていても飽きない。

 3章「幕末明治」転換期のざわめきとにぎわい。

   暁斎が風刺が効いていてどの絵にも意味があると思

   うと奥が深い。  

 4章「戯れる」福と笑いをもたらす守り神 

  鍾馗様の迫力、鬼を寄せ付けない迫力ある顔。 

  筆一本、すごい画力。

 

5章「百鬼繚乱」異界への誘い

  このコーナーも楽しかった。地獄太夫と一休さんのツーショット。一休の下心が見え隠れして楽しい。しかし地獄太夫

  の着物の柄、とても手が込んでいる。目を凝らしてみるとその絵がらのなかにも物語が潜んでいる。暁斎らしい。

  百鬼繚乱。化け物絵巻も楽しかった。もちろん妖怪の屏風。迫力あった。妖怪にしても骸骨にしても兎に角、芸が細か

  い。ひとコマ取ってもト書きがつけられるほどだ。

  幽霊の絵も下絵が並んでおり面白かった。暁斎の絵の表現が深いというわけが良く理解できた。

 6章「祈る」仏と神仙、先人への尊崇

  達磨がいくつか並んでいたが、その表情がどれも違う。何か意としているものが覗える。

 

番外編 笑う--人間と性

  春画もあったがなぜか暁斎の絵はカラッとしていていやらしさがない。不思議。目を背けるどころか目を凝らして見て

  しまう。そして笑ってしまう。とても健康的だ。まさしく「人間の性」だが、「人間の生」とも捉えることができる。

多くはユモアー作品がたっぷりの展覧会。プライスさんも楽しい人に違いない。とても楽しい展覧会だった。

 

2017.7.5 暁斎塾K.S



2017.3.26暁斎シンポジウムより

先日、河鍋暁斎(江戸〜明治にかけて活躍した浮世絵師)、のシンポジウム、小説家・京極夏彦氏の基調講演、「京極夏彦氏が語る暁斎の魅力」に参加。京極先生のお話、とても分かりやすくまだまだミステリアスな暁斎の作品の数々に興味を注がれる素晴らしいトークでした。「人間には天才はいない」という京極氏。

あえていうなら二つのものを掛け合わせ一つの新しい世界を作り上げる、特に課題+自分の眼、(昔は課題を与えられたらその通りに描かないとダメだった)+(観察力-透察力-視点)を瞬時に重ねてデータ化し、アウトプットを出せる点において暁斎はたけていたと。

その+αがあったのは、暁斎が時間さえあれば、惜しみなくそしてこだわりなく写生して描いて描き続けた柔軟性、描いてくれと頼まれたらどんな庶民にも惜しみなく描いた経験値、描く事への執念、そんなこんなの努力があってこそだと。プラスαの力は何人でも何においても自分の努力で生み出せ!とお叱りを受けたようでもありました。

◯+◯⁉︎ そう思うとピコ太郎のペン+パイナップルは一番シンプルに☝️のアイデアを表してるが故に世界でうけ入れられた⁉︎ ...なんて思いもしました。

京極夏彦箸の作品にも時間取れたら、特にレンガ本と言われる超長文作に挑戦してみたくなりました。

暁斎塾 M.I